概要


 平成18年の暮れに、大阪府和泉市において、犬の繁殖業者が経営に行きづまり、
250頭程の繁殖犬が放置され、犬ブルセラ病という伝染病も発生していることが明らかになりました。
動物愛護団体「WanLife」が当初レスキューに入り、大阪府が立ち入って検査をしたところ、
約半数の犬がこの病気に明らかに感染している(陽性反応が出ている)ことがわかりました。
 大阪府は救援本部を立ち上げ、専門家を交えた協議の結果、病気の蔓延を防ぐため、陽性の犬は安楽死処分とし、
陰性の犬は安全を確認した上で一般譲渡する、という決定を下します。
 しかし、この決定に、WanLife及び現場のボランティアに当たっていた人たちが異議を唱え、
またそれまでの救援本部の対応に対する不満の声も高まっていたために、「陽性犬処分反対」の嘆願活動が開始されます。
 その声を受けて、動物愛護団体「アークエンジェルス」と「またたび獣医師団」が参入し、
以降はこの二団体が中心となって、大阪府に対する抗議および各方面への訴えがさらに過熱することとなりました。

 2月27日、陽性犬の殺処分が行われる予定でしたが、現場での抗議活動によって中止となります。
 その後、アークエンジェルズは裁判所に「所有権の主張と殺処分決定禁止の仮処分」を申立て、
またたび獣医師団は大阪府警に「和泉現場の犬を虐待している」として大阪府知事ほか関係者を刑事告発します。

4月12日、アークエンジェルズからの仮処分申し立ては大阪地裁により却下されました。(アークエンジェルズは翌13日に即時抗告)
そして4月28日、和泉現場において陽性犬の殺処分が実施されました。